住宅ローン審査における「属性」とは?
属性とは、あなたの総合評価とも言えます。勤務先の信用度や勤続年数、年収・仕事内容などを総称して属性といっています。あくまでも金融機関内部で使う言葉になりますので、ご注意ください。
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住宅ローン審査は、スコアリング方式で行われています。
現在、多くの金融機関で審査をするのに用いられている方法は、スコアリング方式となります。昔の住宅ローン審査は、審査担当者がそれぞれの経験や知識から、住宅ローンの融資をするかどうかの判断をしていました。
しかしそれでは担当者の感覚によって合否の判断が異なることになります。スコアリング方式は、平均した審査を行うために多くの金融機関で取り入れられています。
実際には、借入する人の属性を点数化し、ランクを決めることによって、承認か否認かを判断したり、融資金額の上限を決める判断にも利用します。
スコアリング方式の仕組み
それぞれの項目が細かく段階に分けてあり、すべての項目で合格点を取ることで承認へとつながります。飛びぬけて良い項目があっても、マイナス要素がたくさんある場合は否認になることがあります。平均して合格点を重ねることが必要です。
住宅ローン審査はあくまでも総合的判断となり、プラス点の積み重ねで段階的に判断します。すべての条件をインプットしてスコアを算出し、A~Hなどのランク別に対応が変わります。
ランクの高い人は、勤続年数は短くてもOKですとか、担保価格が借入額に満たなくてもOKなどという優遇があります。ランクが低い人は減額になったり、担保価格以上の借り入れができなかったりということが起こります。
スコアリングで高得点を取るためには、一つでもプラス要素を増やし、マイナス要素を減らすことが必要となります。
スコアリングに影響する項目
それでは、スコアリングに大きく影響する属性について検証してみましょう。どのような属性が有利で、どのような属性が不利になるのかということをあなたがご自分で判断することができます。
他の記事でも紹介していますが、金融機関が審査の際に何を重要視するのかといった統計があります。それによりますと、
1位:完済時の年齢
2位:借入時の年齢
3位:返済負担率
4位:担保評価額
5位:勤続年数
6位:年収
7位:その他の借入状況
となっています。これらの条件は、何か一つでも問題がある場合はローン承認が難しいと思われます。
続いて、プラス要件になるのは、8位から10位です。
8位:金融機関のエリア
9位:申込人との取り引き状況
10位:健康状態
11位から14位の内容は、1位から10位条件での総合判断で微妙なときなどに参考にします。ここでプラス点が取れれば有利です。
11位:雇用形態
12位:業種
13位:家族構成
14位:雇用先の規模
※回答は重複回答で行った結果となります。
金融機関が住宅ローンを借り入れしてほしい人の条件
上記の統計結果を基に、有利な属性の条件をまとめてみます。
金融機関が住宅ローンを貸したくなる属性
条件① 完済時の年齢は若いほど良い。(定年前に返済が終了する)
条件② 返済負担率が低いほど良い。(20%程度が理想)
条件③ 借入金額が住宅の担保評価額より少ない金額であること。
条件④ 勤続3年以上である。(長ければ長いほど良い)
条件⑤ 年収が高い程良い。
条件⑥ その他の借入状況に問題がない人が望ましい。
金融機関は、条件をすべて満たした人を探しています。
購入予定の物件は、新築または中古物件のどちらでも、担保価値が借入金額と同等以上であると認められる物件であることが望ましく、借入金額が担保評価額を超える場合はマイナス要素です。
条件①~条件⑥に一つでも当てはまらない場合は、他の条件で補わなくてはなりません。補いきれないものであれば、ローン否認や減額といった事態が起こります。
すべてにおいてプラスポイントがあれば間違いありませんが、プラスが少ない場合は、マイナス部分を少なくする努力しないと住宅ローンは承認になりません。
ただし、「条件⑥その他の借り入れ状況」に問題がある場合は、その問題を解決しない限り、どこの金融機関で申込をしても、審査は否認になる恐れがあります。
金融機関によって、総合判断結果は異なる場合もある。
審査基準は、各金融機関によって多少異なり、ある銀行では審査否認でも、他の銀行では承認になる、ということも良くあることです。
もし審査の厳しい金融機関で承認にならなくても、他の銀行に申し込みしてみる価値はあります。問題点により対処法が異なりますが、承認になる方法はありますので、あきらめることはありません。